第4回地震火山こどもサマースクール

―活火山富士のひみつ―

スタッフ用ぺージ


***さくや姫カード・ふじやま君カード***


***なまずカード・もぐらカード***

募集ページへのリンク

Last modified: July 31, 2003


1.基本的枠組み

スタッフ名簿    スタッフの宿泊・乗車割り当て表  参加者名簿とチーム分け

 ○ チームフラッグ素材写真:チーム宝永 チーム大室 チーム大沢 チーム湯船 チーム白糸(予備)

講師の心構え  「大きな子ども」(チームサポーター)の心構え

2.役割分担

○スタッフの役割分担の基本  (詳細はスタッフ名簿を参照)
 野外見学:小山・宮地(地形・地質),高橋・佐野(岩石),鵜川・鍵山(観測),中川・数越(コーディネート)
 室内講義:高橋(マグマの粘性と火山の形),鵜川(マグマの移動と割れ目噴火)
      橋本・武村(地震はなぜ起きる・起きるとどうなる),小山(東海地震と富士山噴火)
      鵜川(富士山の火山観測と噴火予知),宮地(富士山のハザードマップ),小山(火山の恵みと私たちのくらし)
  実験:宮島・前田(小麦粉ときな粉をもちいた溶岩流出・火山体形成実験)
    相原・内記(ゼリーとラー油をもちいたマグマ移動・割れ目噴火実験)
 パネルディスカッション :中川(コーディネート),講師全員
 学習の流れ管理責任者 :小山
 生活面管理責任者 :中川
 用度品の準備とりまとめ :中川
 現地事務局 :鈴木,松本,小澤,井尾
 現地会計 :中西
 サポート(誘導と安全確保,先遣隊,記録,資料配付など)
   :干場,中橋,永尾,小村,伊藤,荒井,学生チーム

○参加者に配付する教材と作成分担 

(バインダにまとめるもの)
1.表紙・日程表・全行程を通じた共通課題 :小山
2.やくそく :中川
3.会場見取り図 :事務局
4.行程地図 :小山
5.野外観察および講義用の配付資料 :小山とりまとめ
6.実験資料
   小麦粉ときな粉をもちいた溶岩流出実験火山体形成実験 :宮嶋
   ゼリーとラー油をもちいたマグマ移動・割れ目噴火 :相原
7.火山と地震に関する読書ガイド :小山
8.参加者とスタッフ名簿 :事務局

(バインダ冊子とは別)
9.アンケート :数越
10.参加者名札 :中川
11.カード,認定証 :中川

○スタッフ用資料・教材と作成分担
1.名簿(昨年は班別に参加者氏名,なまえのよみ,所属,学年,住所,連絡先) :事務局
2.プログラム及びスタッフの動き :中川
3.講師の心構えとガイドライン :小山
4.チームサポーター(大きなこども)の心構え :中川
5.ゼリー実験解説 :相原
6.チームフラッグ :中川

3.行 程
(制約条件=宝永火口に行けるのは,夏の富士山スカイライン登山区間の渋滞を考えると2日目の午前のみ)

1日目朝のバスの中のアイスブレークゲーム 

1日目の行程案(1日目の天候によって以下の3つの場合あり)
 1A(太郎坊露頭と北かんす山溶岩を見学する場合):もっとも好天の場合
 1B(北かんす山溶岩のみを見学する場合):やや悪天候の場合
 1X (1日目の野外見学すべてを断念する場合):相当な悪天候の場合
○2日目の行程案(2日目の天候によって以下の4つの場合あり.2Eは1日目の実施内容に依存する
 2A(宝永火口を見学する場合):もっとも好天の場合
 2B(白糸の滝を見学する場合):やや悪天候の場合
  2E(北かんす山溶岩のみを見学する場合=1日目が1Xの場合):かなりの悪天候だが1日目より回復した場合3
 2X(2日目の野外見学すべてを断念する場合):相当な悪天候の場合

*1A→2Aの行程案が好天時の理想形.逆に1X→2Xの場合は全行程で野外見学なしとなる.

4.学習内容

○学習全体の流れとカードシステムここ

○全行程を通じた共通課題ここ
 開講式の後に提示される課題で,それぞれの日あるいは2日間を通した共通テーマとなる.課題をチームごとに考え,2日目のパネルディスカッションで発表する.

○個々の見学地点での流れと内容ここ
 野外見学プラン1(太郎坊駐車場:小山・宮地)  野外見学プラン2(北かんす山溶岩流:宮地・小山)
 野外見学プラン3(宝永火口:小山・宮地・高橋・佐野)  野外見学プラン4(白糸の滝:宮地・小山)
 野外見学プラン5(水ヶ塚GPS基準点:鵜川・鍵山)   野外見学プラン6(吉原観測点:鵜川・鍵山)

○個々の実験の内容伊豆大島こどもサミットのページ参照
 火山噴火実験1(小麦粉ときな粉をもちいた溶岩流出・火山体形成実験:宮嶋・前田)
 火山噴火実験2(ゼリーとラー油をもちいたマグマ移動・割れ目噴火実験:相原・内記)

○個々の講義のアウトラインここ
 マグマの粘性と火山の形(高橋)           マグマの貫入と割れ目噴火(鵜川)
 地震はなぜ起きる・起きるとどうなる(橋本・武村)  東海地震と富士山噴火(小山)
 富士山の火山観測と噴火予知(鵜川)  富士山のハザードマップ(宮地)  火山の恵みと私たちのくらし(小山)


1日目の行程案

(1A:太郎坊露頭と北かんす山溶岩を見学する場合)
8時30分 集合(新富士駅および富士駅)受付 30分
      ↓ バス(1時間) あいさつと行程全体についての説明・チーム作り・班分け(中川・数越)
10時  こどもの国
     開講式(司会:中川,あいさつ:小澤,スタッフ紹介:中川) 20分
     課題提示(小山)20分
     富士山と宝永火口を遠望解説(宮地)10分
10時50分 こどもの国
      ↓ バス(40分) 課題についての意見交換(小山,宮地)
11時30分 御殿場口太郎坊駐車場
     火山灰層見学についての課題説明(小山)20分
     昼食と観察(40分)
     解説(宮地,高橋,佐野)20分
12時50分 御殿場口太郎坊駐車場
      ↓ バス(20分) まとめと議論(小山,宮地)
13時10分 日本ランド西
     北かんす山溶岩流の観察(宮地)30分
13時40分 日本ランド西
      ↓ バス(20分) まとめと議論(小山,宮地)
14時00分 こどもの国
     休憩(10分)
      小麦粉ときな粉をもちいた溶岩流出・火山体形成実験(宮嶋・前田)1時間
     かたづけと休憩(10分)
      ゼリーとラー油をもちいたマグマ移動・割れ目噴火実験(相原・内記)1時間
     かたづけと休憩(10分)
16時30分 まとめの講義:マグマの粘性と火山の形(高橋)20分
            マグマの移動と割れ目噴火(鵜川)20分
17時10分 入浴・夕食 2時間
19時10分 講義:地震はなぜ起きる・起きるとどうなる(橋本・武村)40分
        東海地震と富士山噴火(小山)20分
        1日めのまとめとビデオ鑑賞(小山) 20分
20時30分 休憩とチーム会議
22時  就寝

(1B:北かんす山溶岩のみを見学する場合)
8時30分 集合(新富士駅および富士駅)受付 30分
      ↓ バス(1時間) あいさつと行程全体についての説明・チーム作り・班分け(中川・数越)
10時  こどもの国
     開講式(司会:中川,あいさつ:小澤,スタッフ紹介:中川) 20分
     課題提示(小山)20分
     富士山と宝永火口を遠望解説(宮地)10分
10時50分 こどもの国
      ↓ バス(20分) 課題についての意見交換(小山,宮地)
11時10分 日本ランド西
     北かんす山溶岩流の観察(宮地)30分
11時40分 日本ランド西
      ↓ バス(20分) まとめと議論(小山,宮地)
12時   こどもの国

12時-13時30分 昼食と休憩

13時30分 小麦粉ときな粉をもちいた溶岩流出・火山体形成実験(宮嶋・前田)1時間
      かたづけと休憩(10分)
     ゼリーとラー油をもちいたマグマ移動・割れ目噴火実験(相原・内記)1時間
      かたづけと休憩(10分)
15時50分 まとめの講義:マグマの粘性と火山の形(高橋)20分
           マグマの移動と割れ目噴火(鵜川)20分
      休憩(10分)
16時40分 講義:地震はなぜ起きる・起きるとどうなる(橋本・武村)40分
17時20分 入浴・夕食 2時間
19時20分 講義:東海地震と富士山噴火(小山)20分
        1日めのまとめとビデオ鑑賞(小山)30分
20時10分 休憩とチーム会議
22時  就寝

(1X:1日目の野外見学すべてを断念する場合)
8時30分 集合(新富士駅および富士駅)受付 30分
      ↓ バス(1時間) あいさつと行程全体についての説明・チーム作り・班分け(中川・数越)
10時  こどもの国
     休憩(10分)

     開講式(司会:中川,あいさつ:小澤,スタッフ紹介:中川) 20分
     課題提示(小山)20分
10時50分 小麦粉ときな粉をもちいた溶岩流出・火山体形成実験(宮嶋・前田)1時間
     かたづけと休憩(10分)

12時-13時30分 昼食と休憩  

13時30分 ゼリーとラー油をもちいたマグマ移動・割れ目噴火実験(相原・内記)1時間
     かたづけと休憩(10分)
14時40分 まとめの講義:マグマの粘性と火山の形(高橋)30分
            マグマの移動と割れ目噴火(鵜川)30分
     休憩(20分)
16時  講義:地震はなぜ起きる・起きるとどうなる(橋本・武村)50分
    休憩(10分)
17時  入浴・夕食 2時間
19時  講義:東海地震と富士山噴火(小山)30分
       1日めのまとめとビデオ鑑賞(小山)30分
20時  休憩とチーム会議
22時  就寝


2日目の行程案

(2A:宝永火口を見学する場合)
7時  起床・朝食
8時  こどもの国
      ↓ バス(1時間30分)
9時30分  富士宮口五合目
      ↓ 徒歩(30分) 途中で南東側の側火山群についての解説
10時   宝永火口
      宝永噴火について解説(宮地,小山)20分
      岩脈・マグマについての解説と観察(高橋,佐野)20分
      ミニ火山弾・斑れい岩ノジュール探し 20分
      ↓ 徒歩(30分)
11時30分 富士宮口五合目
      ↓ バス(50分) まとめと議論(小山・佐野,宮地・高橋)
12時20分 水ヶ塚駐車場GPS基準点(ただし,時間に余裕がある場合は吉原観測点見学に替える)
     GPS基準点について(鵜川・鍵山)10分
     昼食(20分)
12時50分 水ヶ塚駐車場
      ↓ バス(30分) まとめと議論(鵜川,鍵山)
13時20分 こどもの国
    休憩(10分)
    講義:富士山の火山観測と噴火予知(鵜川)15分
       富士山のハザードマップ(宮地)15分
       火山の恵みと私たちのくらし(小山)15分
    休憩とチーム会議(30分)
14時45分 課題発表パネルディスカッション(中川,講師全員)45分
15時30分 表彰式,博士号授与式,閉講式 30分
16時   こどもの国
      ↓ バス(1時間) 補足説明など
17時 解散(新富士駅,富士駅)

(2B:白糸の滝を見学する場合)
7時  起床・朝食
8時  こどもの国
      ↓ バス(1時間)
9時   白糸の滝駐車場
      ↓徒歩(20分)
     白糸の滝
      土石流・溶岩流・地下水について(宮地)20分
      ↓徒歩(20分)
10時  白糸の滝駐車場
      大沢崩れを遠望し,火山体の浸食と土石流について解説(宮地,小山)15分
      ↓ バス(40分) まとめと議論(小山,宮地)
10時55分 吉原観測点
      火山観測と噴火予知についての解説(鵜川,鍵山)30分
11時25分 吉原観測点
      ↓ バス(50分) まとめと議論(鵜川,鍵山)
12時15分 こどもの国

12時15分〜13時15分 昼食と休憩

13時15分 こどもの国
    講義:富士山の火山観測と噴火予知(鵜川)15分
       富士山のハザードマップ(宮地)15分
       火山の恵みと私たちのくらし(小山)15分
    休憩とチーム会議(30分)
14時30分  課題発表パネルディスカッション(中川,講師全員)1時間
15時30分  表彰式,博士号授与式,閉講式 30分
16時   こどもの国
      ↓ バス(1時間) 補足説明など
17時 解散(新富士駅,富士駅)

(2E:北かんす山溶岩のみを見学する場合=1日目が1Xの場合)
7時  起床・朝食
8時  こどもの国
      ↓ バス(20分)
8時20分 日本ランド西
     北かんす山溶岩流の観察(宮地)30分
8時50分 日本ランド西
      ↓ バス(30分) まとめと議論(小山,宮地)
9時20分 吉原観測点
     火山観測と噴火予知についての解説(鵜川,鍵山)30分
9時50分 吉原観測点
      ↓ バス(20分) まとめと議論(鵜川,鍵山)
10時10分 水ヶ塚駐車場GPS基準点
      GPS基準点について(鵜川,鍵山)20分
10時30分 水ヶ塚駐車場
      ↓ バス(30分) まとめと議論(鵜川,鍵山)
11時   こどもの国
     休憩(10分)
    講義:富士山の火山観測と噴火予知(鵜川)20分
       富士山のハザードマップ(宮地)20分
       火山の恵みと私たちのくらし(小山)20分

12時10分〜13時30分 昼食と休憩

13時30分  ビデオ鑑賞(30分)
       休憩とチーム会議(30分)
14時30分  課題発表パネルディスカッション(中川,講師全員)1時間
15時30分  表彰式,博士号授与式,閉講式 30分
16時   こどもの国
      ↓ バス(1時間) 補足説明など
17時 解散(新富士駅,富士駅)

(2X:2日目の野外見学すべてを断念する場合)
7時  起床・朝食
9時  講義:富士山の火山観測と噴火予知(鵜川)30分
      富士山のハザードマップ(宮地)30分
    休憩(10分)
10時10分 講義:火山の恵みと私たちのくらし(小山)30分
    休憩(20分)
11時  補足講義とビデオ鑑賞(1時間)

12時〜13時 昼食と休憩

13時 チーム会議(30分)
13時30分
  課題発表パネルディスカッション(中川,講師全員)1時間
14時30分  表彰式,博士号授与式,閉講式 30分
15時  こどもの国
      ↓ バス(1時間) 補足説明など
16時  解散(新富士駅,富士駅)


学習全体の流れとカードシステム

○学習全体の流れ

集合場所から会場までのバスの中でアイスブレークゲームをして互いに打ち解けておく.
    ↓
会場での全体課題提示(2日目までにチームで何を学び,何を考えるべきか理解)
    ↓
1日目の野外地形・地質見学(地層観察の基礎,噴火堆積物の種類・特徴・成因)
    ↓
室内実験(火山の形とマグマの性質の関係,およびマグマの移動と割れ目噴火についての基礎知識)
    ↓
1日目の室内講義(地震学と地震防災の基礎,東海地震,噴火と地震の関係についての基礎知識)
    ↓
1日目のまとめ(1日目に観察したこと,学んだことのまとめと2日目に向けての指示)
    ↓
1日目夜のチームミーティング(チーム内での意見交換とまとめ)
    ↓
2日目の野外地形・地質見学(爆発的噴火をおこした火口地形と噴火堆積物,噴火の大きさ・激しさを実感)
or(火山体の地下水貯蔵・供給システム+火山体の浸食プロセスの大きさと激しさを実感)
    ↓
2日目の火山観測サイト見学(火山観測の重要性と現状を理解)
    ↓
2日目の室内講義(噴火予知の原理・方法・現状,ハザードマップの方法・現状,火山のリスクとベネフィット)
    ↓
2日目のチームミーティング(チーム発表に向けての準備)
    ↓
パネルディスカッション(課題発表とディスカッション)
    ↓
カード集め成績発表,表彰式,認定証授与式

○カードシステムの説明,カードの種類と与え方

本スクールにおける学習の流れの基本方針として,講師の説明の中で初めからストレートに解答を一方的に与えてしまうのではなく,ときおり課題を与えては考えさせ,こどもたちとの双方向のコミュニケーションを保つことをめざしています.このための具体的テクニックとして,チーム対抗のカード集めゲーム形式を採用しています.例を挙げて説明すると,以下のような進め方がこれまでおこなわれてきた典型的なものです.

講師:基本的な考え方の説明,基礎的事項の説明(いきなり課題提示も可)
    ↓
講師:さあ,ここでこれを考えてみよう.答えた人にはカードをあげるよ.
    ↓
こども:回答
    ↓
講師:おお,ばっちり.○○カード1枚ゲット〜.
    ↓
講師:別事項に関する基本的な考え方の説明,基礎的事項の説明
    ↓
講師:ここまでで何かわからないことあるかな.質問してくれた人にはカードをあげるよ.
    ↓
こども:質問
    ↓
講師:おお,鋭い.○○カード1枚ゲット〜.それは実はこういうことなんだよ.

このパターン以外にもさまざまなものが考えられると思います.カードのやりとりを媒介手段として,講師の裁量と状況に応じたコミュニケーションをとりながら,各見学地点での説明や,室内講義を進めてほしいと思います.実験についてはこの限りではありませんが,最初の解説や最後のまとめの部分に適宜取り入れて頂ければと思います.

以下に今回使用するカードの種類と基本的な与え方方針を示します.

 さくや姫カード
 :講師が驚くような非常にすぐれた質問・発想・回答をした生徒に対して与えるスペシャルカード.安売りをしないで価値を高めるように注意する.レアもの扱い.

 ふじやま君カード
 :火山や地震に関する事項のうち,とくに富士山に直接関係する事項において,すぐれた質問・発想・回答をした生徒に対して与えるカード.回答内容によって同時2枚与え,3枚与えも可.

 もぐらカード
 :火山に関して,富士山に限らない一般的な事項において,すぐれた質問・発想・回答をした生徒に対して与えるカード.回答内容によって同時2枚与え,3枚与えも可.

 なまずカード
 :地震に関して,富士山に限らない一般的な事項において,すぐれた質問・発想・回答をした生徒に対して与えるカード.回答内容によって同時2枚与え,3枚与えも可.


全行程を通じた共通課題

1.富士山はどのようにして現在の形になったのだろう?
 (ふだん見慣れた風景の意味に疑問をもつことの大切さを教え,その成因や履歴を考えさせる動機づけをおこなう=自然観察の基本)

 すごい噴火が起きると,てっぺんが吹き飛んで,逆に低くなってしまいそうだね.どのようにして今みたいに日本一の高さ・美しさになったのかな?

 サブ課題(1)山頂と南東わきにある「へっこみ」は何だろう?(山頂火口と宝永火口列)
     (2)北西側と南東側にたくさんある小さな「ぼこぼこ」は何だろう?(側火山と噴火割れ目)
     (3) 西側と北東側にある「みぞ」は何だろう? (浸食谷:大沢崩れ,吉田大沢)
     (4)北側と東側にある「もっこり」は何だろう?(古い山体:小御岳,丹沢山地の続き)

2.富士山が噴火すると,どんなことが起きるだろう?
 (大人でもなかなか想像できない火山噴火のイメージトレーニング.現象の様相やメカニズムについての正しい理解と,そこから生まれる正しい防災行動)

 もし富士山が噴火すると,いろいろな現象が発生して,ふもとの町にさまざまな影響があると考えられているよ.どんな現象が起きて,どんな影響をおよぼすか考えてみよう.

 また,噴火の直前にもさまざまな現象が観測され,噴火を予知できる場合があるよ.富士山で今どんな観測をしているのかな? また,噴火が近づくとどんな現象が起き,どんな情報が発表されるかな?

3.火山としての富士山が私たちに与えてくれている恵みは何だろう?
 (火山の負の面ばかりを教えると,自然認識を誤る.リスクとベネフィットは表裏一体のものであるという,正しくバランスのとれた自然理解をつちかう)

 たくさんあるよ.いくつ思いつけるかな.

 また,それらの恵みの中には,噴火がおきたからこそ与えられたものもあるよ.それは何かな?


個々の見学地点での流れと内容

野外見学プラン1:太郎坊駐車場(小山・宮地・高橋・佐野)
 崖では地面の下が見えている(解説)
 課題1:しましまに見えるものは何だろう?(過去3000年間のテフラ累層)
 課題2:黒い層と茶色い層は何だろう?(テフラと褐色ロームの区別)
 課題3:白いつぶと黒いつぶは何だろう?(宝永テフラの構成粒子とその粒径変化)
 課題4:他にめずらしいものはあるかな?(バンデッドパミス,斑れい岩ノジュール,木炭,弾道岩塊とクレーター)
 ゲーム: バンデッドパミスを探してみよう!

備考:おもに宝永テフラを観察させる.好天であれば宝永山の赤岩が見えるので若干の解説.時間に余裕があれば,宝永以外のテフラ(二ツ塚,湯船第二など)も観察させる.また,降下テフラとラハール堆積物の違いも考えさせる.駐車場にトイレあり.

野外見学プラン2:北かんす山溶岩流(宮地・小山)
 課題1:カチンカチンの岩は何だろう?(溶岩流)
 課題2:カチンカチンの岩の上と下にあるガサガサの赤黒いものは何だろう?(スパター)
 課題3:向こうに見える丸い小山は何だろう?(かんす山スコリア丘など南東側の側火山群)

備考:太郎坊ではテフラしか観察できないため,ここで溶岩流を観察させる.

野外見学プラン3:宝永火口(小山・宮地・高橋・佐野)
 課題1:ここにある大きなくぼ地は何だろう?(宝永火口)
 課題2:上の方に見える板状の岩は何だろう?(十二薬師岩脈群)
 課題3:下にごろごろしている硬い大きな岩や赤いガサガサした石は何だろう?(火山弾とスパター)
 課題4: 他にめずらしいものはあるかな?(紡錘状火山弾,斑れい岩ノジュール,宝永山の赤岩)
 ゲーム:紡錘状火山弾と斑れい岩ノジュールを探してみよう!

備考:紡錘状火山弾は,指先サイズほどの小さいものが結構見つかる(1mクラスの大きなものも下見の時に1個あったので,これがまだあれば説明する).斑れい岩ノジュールは火口底には少ないため,五合目に戻る時に火口縁で探させるとすぐに見つかる.五合目に戻る途中で溶岩流の露頭があるので,時間に余裕があれば観察させる.宝永火口底に雪渓があるので,好天で時間に余裕があれば遊ばせてもよい.トイレはないので,用足しは五合目ですませておく.

野外見学プラン4:白糸の滝(宮地・小山)
 課題1:水はどこから落ちているのだろう? どうして崖の途中から水が湧き出すの?(滝の成因と地下水の関係)
 課題2:水が湧き出している地層はどんなもの?(泥流堆積物,溶岩流)
 課題3:水はどこからやってくるの?(火山の恵み)

備考:駐車場から滝までやや遠く,途中にはみやげもの屋が立ち並んだり狭い階段があるので,誘導には注意を要する.トイレあり.

野外見学プラン5:水ヶ塚駐車場GPS基準点(鵜川・鍵山)
 ゲーム:電子基準点を探してみよう!
 解説:電子基準点と地殻変動の解説
 課題:噴火しそうになったらどんな地殻変動がおきるかな?

備考:トイレ・自動販売機とみやげもの屋あり.

野外見学プラン6:吉原観測点(鵜川・鍵山)
 解説:地震計の原理,深部低周波地震
 ゲーム:地震をおこしてみよう!(好天時のみ)
 課題: 噴火しそうになったらどんな地震活動がおきるかな?

備考:県営の野外活動施設の敷地にあり,駐車場から少し歩く.トイレは野外活動施設で借りられると思うが,非常時のみとしたほうがよい.


個々の講義のアウトライン

マグマの粘性と火山の形(高橋)
 小麦粉実験を受けて,マグマの成因・性質,火山体の形・種類・成因,富士山の形・マグマ・地下構造などについて基礎的な解説をおこなう.

マグマの移動と割れ目噴火(鵜川)
 ゼリー実験を受けて,マグマの移動(貫入)と割れ目噴火,およびそれらにともなう現象について基礎的な解説をおこなう.

地震はなぜ起きる・起きるとどうなる(橋本・武村)
 地震の原因,メカニズム,大きさの尺度,地震波の伝わり方,地表への影響など,地震学の基礎的な事項についての解説をおこなう.

東海地震と富士山噴火(小山)
 東海地震のメカニズム,歴史,ゆれ・津波・被害などの予測,予知観測の現状と見通し,大地震と火山噴火の関係などについて,基礎的な解説をおこなう.

富士山の火山観測と噴火予知(鵜川)
 火山の観測と噴火予知,富士山の観測の現状と低周波地震,噴火予知の現状と見通しなどについて基礎的な解説をおこなう.

富士山のハザードマップ(宮地)
 火山で起きる災害,ハザードマップとは何か,富士山の生い立ちと噴火史,富士山の噴火災害予測の現状と見通しなどについて基礎的な解説をおこなう.

火山の恵みと私たちのくらし(小山)
 火山災害と恵みが表裏一体の関係にあること,富士山が地域社会に与えてきた恵みの大きさと多様さ,火山の恵みを生かしたまちづくりなどについて基礎的な解説をおこなう.

 

講師の皆さんへ

過去3回(丹那,有珠山,伊豆大島)のこどもサマースクールは,次に挙げる2つの教育方針を基本としておこなわれました.

1)第一線の専門家が,こどもの視点にまで下りて,地震・火山現象のしくみ・本質を直接語る.
2)災害だけでなく,災害と不可分の関係にある自然の恵みを伝える.

また,上を実現するための工夫として,以下のノウハウを培ってきました.

3)初めから解答を与えてしまうのではなく,まず課題を与えて考えさせ,与えた材料を有機的に結びつけることによって自分なりの答がみつけられるようにリード・サポートする.情報の一方通行ではなく,つねにこどもたちとの双方向のコミュニケーションを保つ(具体的テクニックとしては,チーム対抗のカード集めゲーム形式を採用する).

今回も,上の3箇条を堅持しつつ,細部については各講師の裁量におまかせしますから,自分の持ち味を十分に出し,こどもたちとの対話を楽しんでください.

 

チームサポーター(別名・大きなこども)の皆さんへ

チームサポーター(大きなこども)とは
 プログラムに参加するこどもたちが数人のチームで行動する際,子どもたちと一緒のチームメンバーとなって,子供の気分でプログラムを楽しみつつ,大人の目で子どもたちの安全・生活管理をサポートし,子供のまとめ役であるチームリーダー,サブリーダーの支えとなっていただく方のことを指します.チームの引率者でもリーダーでもありませんので,子どもたちの自主性を促しつつ,口を出しすぎないようにお願いいたします.基本的には1チーム1人ですが,複数になっている場合もあります.

運営の単位など
 参加者を2台のマイクロバスに分けて,車中は別々に,現地は一緒に見学や実験などを行います.各チームごとにバンダナで色分けます.チーム名は富士山周辺の著名な場所から選び,チームごとにその場所の写真と文字が入ったチームフラッグを用意します.
 1つのバスには,4−5人の講師陣(インストラクター) と,1人の司会進行役(グループコーディネーター)が付きます.運営上のまとめ役はコーディネーターです.子どもたちのチームが2−3つあるかたちです.2日間通して,このチームを基本に行動してもらいます.生活面でも,男女に分かれた宿舎でそれぞれ同部屋となります.チームは小学生から高校生までの混成で,高校生にチームリーダーを,中学生からサブリーダーを選びます.そのようなチームというユニットを皆さんがサポートしていただきたいのです.
 バスには1台のワゴン車とスタッフや見学者を乗せたマイクロバスが同行します.先行して準備する必要がある場合などは,大きなこどもの方にお手伝いをお願いすることがあります.全体のプログラムは,進行の時間などに関しては,全スタッフと共通の資料をお渡ししますが,プログラムの内容に関する資料は,子どもたちと同じ内容にとどめておきますので,一緒になって考えたり,悩んだりしていただければと思います.

チームサポーターの「お仕事」
 大半が,子どもたちの一員として行動していただきます.チーム会議の時にみんなの体調を聞いて把握することと,朝の点検の際に健康状態を尋ねて把握し,異変があれば本部に連絡をお願いします.健康面の見守りが,最も大きな仕事です.また,屋外での「眼」の役割をお願いします.
 また,チームリーダーが行う次の事項について,報告を受けてください.朝の点検,人員点呼.
 会議運営に関しては,チームリーダーがうまく進行できなければ,全員の意見を引き出したりできるよう,サポートをお願いします.特に,2日目の子どもパネルで発表する宿題について,子どもたちが自主的に考えられるよう,お願いします.


バスの中のアイスブレイクゲーム

目的 チームのメンバーを知る,互いの名前を知る,一緒に何かに取り組む

課題 なまず,もぐら,富士,さくや姫カードについてその意味を紹介しながら,地震や火山についての簡単なクイズを考える.
「地震火山のほんと,ウソ.○か×かゲーム」

準備物
・○×の札(隣同士で1つ,チームで大きいのが1つ)
・クイズの質問(最初のシナリオの分)
・なまず,もぐら,富士,さくや姫カード
・参加者の名刺,バンダナ,チームフラッグ(指定した座席に置いておく)

流れ
コーディネーターあいさつ
「では,いきなり○×ゲームで〜す」.隣同士で相談して○×の札を上げてください.
質問その1
「隣同士,挨拶したか,しなかったか」○か×か
 では挨拶をしてください.お隣同士で名刺を交換してください.
 (名刺は一人10枚×5シート刷っておく=見本は明日持っていきます)
(大きな子どもはたぶん,補助席などだから,脇の子どもと相談する.)
質問その2
座席の上にバンダナが置いてありました.チームごとに色が違います.それではお隣同士で相談して,バンダナをどうやって身につけるか決めて下さい.チームごとに,意見を集約しますので,「チームリーダー」と書かれた方は,同じチームのペアがどう答えたかをカウントしてください.
 まず最初にバンダナを,頭に巻く
 次に,腕にまく
 そして,首に巻く
それぞれ,質問しますので,ペアで気に入った方法に○を上げてください.
 チームリーダーが集約して,まず,自己紹介,チーム名紹介,それぞれのチームのバンダナの身に付け方を紹介.その時に,サブリーダーに旗を上に上げてもらう.
 全チームが終わったら,チーム内の全員の名刺交換をする.大きな子どもも含めて.
質問その3
 それでは,チーム全員の名前の文字を組み合わせて,火山の名前を作って下さい.
 できたら○を上げてください.二つ以上考えたところは?
 ここでもぐらカードを渡す.カードの意味を説明する.
質問その4
 この後,地震や火山に関係するまともな問題,「かも知れない」とんでも問題も入ったクイズをする.ペア問題と,チーム問題を取り混ぜる.ペアの時には正答率が高いチームにカードを渡す.そこで,なまずカード,富士カード,さくや姫カードの紹介になる質問を必ず入れる.各カード紹介の流れまでは,事前に作っておく.
 その後,各講師が自己紹介しながら,○か×かクイズを出す(もしくは各カードごとの質問で分担しても良い).一通り,講師の自己紹介クイズが終わったら終了.所要時間,20分まで.
 その後,改めて2日間のオリエンテーションをする.


スタッフ名簿

実行委員(*委員長)
 鍵山恒臣(東京大学地震研究所,火山学会事業委員長)
 *小山真人(静岡大学教育学部,火山学会事業委員,地震学会普及行事委員)
 高橋正樹(日本大学文理学部,火山学会事業委員)
 宮地直道(日本大学文理学部,火山学会事業委員)
 鵜川元雄(防災科学技術研究所,火山学会事業委員)
 中川和之(時事通信社,地震学会普及行事委員長)
 橋本 学(京都大学防災研究所,地震学会普及行事委員)
 数越達也(兵庫県立須磨友が丘高校,地震学会普及行事委員)
 宮嶋衛次(北海道立理科教育センター,地震学会普及行事委員)
 土井恵治(東京大学地震研究所,地震学会普及行事委員)
 干場充之(気象庁予知情報課,地震学会普及行事委員)
 林 信太郎(秋田大学教育学部,地震学会普及行事委員)
 小澤邦雄(静岡県防災局)

講 師
 鍵山恒臣
 小山真人
 高橋正樹
 宮地直道
 鵜川元雄
 橋本 学
 武村雅之(鹿島建設小堀研究室)
 佐野貴司(富士常葉大学環境防災学部)

実験指導
 相原延光(神奈川県立西湘高校)
 宮嶋衛次
 内記昭彦(東京都立成瀬高校)
 前田哲良(三鷹高校)

コーディネーター
 中川和之
 数越達也

事務局
 松本洋一(静岡県防災局)
 鈴木 隆(静岡県防災局)
 小澤邦雄
 井尾高士(静岡県防災局)

当日会計
 中西のぶ江(日本地震学会)

チームサポーター
 中橋徹也(東京大学工学部)
 永尾隆志(山口大学総合科学実験センター)
 小村隆史(富士常葉大学環境防災学部)
 伊藤英之(砂防・地すべり技術センター)
 安藤さやか(静岡大学教育学部総合科学専攻4年)
 岩垣 舞(静岡大学教育学部総合科学専攻3年)
 佐藤百恵(富士常葉大学環境防災学部1年)
 市川加奈子(早稲田大学第一文学部)

記録係
 福山雅嗣(静岡大学大学院教育学研究科修士課程2年)
 園部弘典(早稲田大学理工学部2年)
 鈴木 昂(早稲田大学社会科学部1年)
 中嶋純子( 富士常葉大学環境防災学部1年 )

サポート
 干場充之
 脇山勘治(砂防・地すべり技術センター)
 荒井賢一(栄東高校)

アドバイザー
 山岡耕春(名古屋大学災害対策室)
 桂 雄三(文化庁文化財部記念物課)


以下は,8月3日の御殿場口登山道の富士登山駅伝開催により実施不能と判断したプラン

(2C:太郎坊露頭と北かんす山溶岩を見学する場合=1日目が1Xの場合)
7時  起床・朝食
8時  こどもの国
      ↓ バス(40分)
8時40分 御殿場口太郎坊駐車場
     火山灰層見学についての課題説明(小山)20分
     観察(20分)
     解説(宮地,高橋,佐野)20分
9時40分 御殿場口太郎坊駐車場
      ↓ バス(30分) まとめと議論(小山,宮地)
10時10分 吉原観測点
     火山観測と噴火予知についての解説(鵜川,鍵山)30分
10時40分 吉原観測点
      ↓ バス(30分) まとめと議論(鵜川,鍵山)
11時10分 日本ランド西
     北かんす山溶岩流の観察(宮地)30分
11時40分 日本ランド西
      ↓ バス(20分) まとめと議論(小山,宮地)
12時   こどもの国

12時〜13時 昼食と休憩

13時 こどもの国
    講義:富士山の火山観測と噴火予知(鵜川)20分
       富士山のハザードマップ(宮地)20分
       火山の恵みと私たちのくらし(小山)20分
    休憩とチーム会議(30分)
14時30分  課題発表パネルディスカッション(中川,講師全員)1時間
15時30分  表彰式,博士号授与式,閉講式 30分
16時   こどもの国
      ↓ バス(1時間) 補足説明など
17時 解散(新富士駅,富士駅)

(2D:太郎坊露頭のみを見学する場合=1日目が1Bまたは1Xの場合)
7時  起床・朝食
8時  こどもの国
      ↓ バス(40分)
8時40分 御殿場口太郎坊駐車場
     火山灰層見学についての課題説明(小山)20分
     観察(20分)
     解説(宮地,高橋,佐野)20分
9時40分 御殿場口太郎坊駐車場
      ↓ バス(30分) まとめと議論(小山,宮地)
10時10分 吉原観測点
     火山観測と噴火予知についての解説(鵜川,鍵山)30分
10時40分 吉原観測点
      ↓ バス(20分) まとめと議論(鵜川,鍵山)
11時   水ヶ塚駐車場GPS基準点
     GPS基準点について(鵜川,鍵山)20分
11時20分 水ヶ塚駐車場
      ↓ バス(30分) まとめと議論(鵜川,鍵山)
11時50分 こどもの国

11時50分〜13時 昼食と休憩

13時 こどもの国
    講義:富士山の火山観測と噴火予知(鵜川)20分
       富士山のハザードマップ(宮地)20分
       火山の恵みと私たちのくらし(小山)20分
    休憩とチーム会議(30分)
14時30分  課題発表パネルディスカッション(中川,講師全員)1時間
15時30分  表彰式,博士号授与式,閉講式 30分
16時   こどもの国
      ↓ バス(1時間) 補足説明など
17時 解散(新富士駅,富士駅)